▼スタッフ

▼キャスト

松坂慶子　役所広司　平田　満　柄本　明　名古屋章　田中邦衛　草野大悟　梅津　栄　あき竹城　山本理沙　佐々木すみ江　清川虹子　川谷拓三

▼山本理沙さんの役名

三枝　薫

▼ストーリー

前科2犯の女泥棒・石山豊代(松坂慶子)は同じ下宿に住む貧乏音楽家の三枝(役所広司)に恋をし、そろそろ足を洗う気になった。そのために最後の大仕事をしてお金を稼いでおこうとするが･･･。

▼コメント

山本理沙さんは役所広司演じる貧乏な音楽家(チェロ奏者)の妹で、コンクールに出場する兄を応援するために母親とともに上京して来ている、という役どころ。 いかにも田舎の純朴な女学生っぽい、リボンでまとめたセミロングヘアに、濃碧の長いスカートと白いブラウスの制服姿で、出演シーンは多くありませんが、兄思いの明るい少女を好演しています。富山弁？も必見です。 ちなみにこの作品は寅さんシリーズの第39作『男はつらいよ 寅次郎物語』と併映のお正月映画でした。

▼出演シーン紹介

理沙さんが出演しているのは4シーンだけです。
1.
下宿の大家(清川虹子)から、三枝の部屋に若い女が来ていると聞いた豊代が嫉妬で荒れている。 やかんを倒したり、三枝と食べようと折角買ってきたケーキの箱を踏み潰したり。 と、そこへ、扉を叩く音。扉の窓の向うには若い女(理沙さん)の顔が。 慌てて部屋を片付け、何故かスカーフをする豊代(掃除の真似?)。クスクス笑う薫。
豊代「どうぞ」
薫「(富山訛り？で)はじめまして(笑いを飲み込んで)あたし三枝薫と申します。三枝高志の妹です。」
豊代「あ〜っ（ほっとして）･･･あ、あたし石山豊代って言って、あの、母屋のおばちゃんの〜、おばちゃんの〜･･･何でもありません、アカの他人です(と、焦ってわけのわからないことを言う)」
薫「(笑)突然お邪魔して申し訳ありません。兄が富山のお菓子があるからお茶でもご一緒にゆーて、お誘いしてくるように申しております」
豊代「はい、あたしも駅前でケーキ買ってご一緒に･･･」
と、潰れた箱を出しかけて、慌てて後ろに隠し、
豊代「すみませんっ、すぐ行きますから」
薫(ペコリと頭を下げて)「お邪魔しました」
と帰っていく薫。


2.
引き続いて、三枝の部屋。炬燵に入ってお菓子を食べている大家のおばちゃんと薫。
大家「そーいやー似てるよね、兄妹だもの」
その横で、コンクール用に大家から貰った質流れのタキシードを豊代に着せて貰っている三枝。
薫「お兄ちゃんカッコイイ」
三枝「それにしてもこんなもんですかね。タキシードのポケットってこんな方々に??」
豊代「ホント、ここにも･･･あれ?あら〜??」
とポケットから万国旗が出てきたので、喜ぶ薫。タキシードは昔、手品師が営業用に使っていたものだった。
更に花束、紙吹雪まで出てきて、飛び上がって大はしゃぎの薫。


3.
三枝の母親(佐々木すみ江)も上京して来て、三枝の部屋で豊代と挨拶。
豊代が帰った後で
薫「きれーな人やろー?!」
母親「まだ独りなんかね。なんでやろかね」
三枝「そんなこと知らんちゃ」
薫「お兄ちゃん照れとっけど、お嫁さんにはぴったりやっちゃ。なあお兄ちゃん」
三枝「だらなこというな」
薫「(笑)」


4.
物語の終盤。
東京駅のホームで刑事(川谷拓三)に見つかりそうになった豊代がみやげ物店の陰に隠れていると、その姿を偶然田舎に帰るため新幹線に乗っていた薫が見つけて
「お姉さん、わざわざ見送りに来てくださったのね！」
と駆け寄ってくる。そして
「お兄ちゃん、豊代さんよ、豊代さん！」
と大声で呼んだため、刑事に居場所がばれてしまう。更に薫はまた豊代の許に戻ってきて
薫「お兄ちゃんね、きっとお姉さんにプロポーズするわよ」
豊代「(え？という表情)」
薫「コンクールで入賞したらそのつもりだってゆうべ告白したの。お兄ちゃんね、今日コンクールで3位に入賞したのよ」
そこへ三枝がやってきて
「偶然ですね。どなたかのお見送りですか」
薫「バカねえお兄ちゃん、豊代さんは私たちを見送りに来てくれたんじゃない。お兄ちゃんのためにわざわざ」
三枝「だら言ってると置いてけぼりになるぞ」
薫「(笑)お兄ちゃんしっかりね。チャンスよ」
と列車に戻って行く。
三枝「･･･おふくろに顔見せてやって下さい」
観念してみやげ物店の陰から出て、列車の窓におじぎをする豊代。
走り出した新幹線の中から手を振る薫たち。
(余談ですけど、富山に帰るのって、東海道新幹線でいいんでしょうか??)