●瑠璃彩夢物語 最終回
★ストーリー
早乙女愛生子は毎日、夏目圭一のジムを訪れ、練習する夏目をじっと見ている。
一方、佐伯ゆかりは橘麗華に家まで呼び出される。
しかし麗華は現れず、部屋で待たされるゆかり。
ふと見ると、テーブルの上にわざとらしく封筒が置き忘れられている。
思わず取り出して中身を盗み読んだゆかりは、麗華の家を飛び出す。
そこに書かれていたのは・・・

早乙女愛生子に関する調査第三次報告。
「ご依頼の早乙女愛生子、及び夏目圭一の出生についてご報告申し上げます。
早乙女愛生子。1970年8月25日、東京・田園調布にて父・早乙女けいすけ、母・早乙女みちこの長女として誕生。
夏目圭一。1970年8月25日、東京・駒込にて母・夏目ゆりこの私生児として誕生。
夏目ゆりこは同年1月まで早乙女家に家政婦として住み込み、早乙女けいすけの愛人でもありました」

ゆかり「・・・そんなことって・・・」

部屋に戻った麗華は、ゆかりが報告書を読んだことを確認する。
「さあ、運命の扉を開ける鍵は今荒野に解き放たれてしまった。これから先はもう神のみぞ知る真実。 私にはもうどうすることもできない・・・」

ゆかりは丸井総一郎に相談する。
丸井は「2人に知らせなきゃ。もしものことがあったら大変だ」と言う。
ゆかり「もしものことって?」
丸井「男と女だろ、どうなるかわかんないよ」
ゆかり「でも私、言えない。内緒で2人のこと調べたなんて思われたくないもの」
丸井「俺だって言えないよ。でも橘の君はどうしてそんなこと調べたんだろうな」
ゆかり「梶原様が橘の君にしたように、早乙女さんを聖彩華の次の女王にしようとしているんだと思う」
丸井「だったらなおのこと橘の君に頼むしかないよ。愛生子ちゃんと夏目が兄妹だってわからないまま切り離してもらわないと」
ゆかり「でもどうやって?」
丸井「あの日と同じことをしてもらうんだよ」

橘の君に依頼するゆかりと丸井。
麗華「でも、これだけは言っておくわ。同じことが2度起きるとは限らないってこと」

レストランでぼんやりと外を見ている愛生子。
そこへ麗華が現れる。
麗華「最近余り私のところへ遊びに来ないのね。どうして?夏目圭一に熱を上げているから? 今日も彼の練習が終わるのをこうして待っているんでしょ」
愛生子「そんなんじゃないわ」
麗華「彼は手ごわいわよ。ちょっとやそっとで落ちるような相手じゃないわね」
愛生子「別に私は・・・」
麗華「どうしても彼が欲しいなら私が何とかしてあげてもいいわよ。 彼は昔、賭けに負けて恋人を私に取られた経験があるの。もしもう一度あなたを賭けようと言ったら、彼は必ず乗ってくるわ」
愛生子「私のこと・・・どうやって賭けるの?」
麗華「ダーツよ。彼が勝てば彼はあなたを意地でも恋人にするわ」
愛生子「もし橘の君が勝ったら?」
麗華「あなたは聖彩華の女王になるの」
愛生子「その話・・・とっても面白いわね」

公園でシャドウボクシングに励む夏目、そして麗華。
麗華「・・・逃げるの?」
夏目「何考えてんだあんた」
麗華「手を焼いてるのよ。あの子ははいそうですかと聖彩華の女王になる子じゃないわ」
夏目「そんなこと俺には関係ねえだろう」
麗華「そうかしら?彼女の気持ちは知っているんでしょ」
夏目「とにかくお断りしますよ。あんたとの勝負なんてもうまっぴらだ」
麗華「どうしているかしら、桂木さん・・・」
夏目「・・・」
麗華「可愛い人だった。私の思い出の中でも決して忘れられない一頁。勿論あなたもそうでしょうけど。 まさか後悔しているわけじゃないでしょう?もしそうだとしたら彼女がかわいそうよ。彼女も今、あの思い出を大切にしているはず。 それを後悔するなんて」
夏目「・・・帰れよ!」
麗華「しょうがないわね。あなたにだけは教えておくわ・・・早乙女愛生子はあなたの妹なのよ」
驚いて振り向く夏目。
麗華「どう?これで勝負せざるを得なくなったわね・・・」

カフェバーでダーツの勝負をする2人。
それを見守る愛生子、ゆかり、丸井。
勝負は、夏目の優勢で残すは麗華の最後の一投。
これで最高ポイントを取らなければ麗華の負け。
的に向かう麗華。
夏目「投げる前にひとつだけお願いがあるんです。もし俺が勝ったら聖彩華に二度と女王は作らない、 あなたの代で百合の花は咲かせない・・・そういう約束に変えてもらえませんか。彼女はモノじゃない! 賭けの対象にはしたくないんです」
麗華「・・・わかったわ」
的に向かって狙いを定める麗華。
その時、背後から声がかかる。
「投げなさい、橘」
麗華が振り返ると、いつのまにか、カウンターに梶原様が。
梶原「瑠璃色の百合はこの世で一番美しい花。今、あなたの中で咲かせるのよ」
再び的に向かう麗華。
見つめる丸井、ゆかり、愛生子、梶原様、そして夏目。

麗華は最後のダーツを投じた――



・・・

雨の日。傘を差して道を歩いてくる聖彩華学院の女学生2人。
女学生A「知ってる?今年も来週の土曜日に例の百合のパーティーやるらしいわよ」
女学生B「今年お相手に選ばれるのはどんな子かしら?」
A「あのパーティーで目をつけられた子は必ず百合に落ちるって言うものね」
B「危ない危ない、もしあなたのところに招待状が来たらどうする?」
A「えーどうしよう。ブルーの封筒に百合のマークがついてるんでしょ、その招待状って・・・」
B「うん、でもちょっと行ってみたいような気もするよね」
A「うーん、そうかなー」
・・・2人を物陰から見ているサングラスの女・・・


手紙を書いている女。
書き終わった手紙をブルーの封筒に入れる。
封筒に、百合のマーク。
(ナレーション:梶原様の声で)「――瑠璃色の百合はこの世で一番美しい花。今、あなたの中で咲かせるのよ・・・」
あて先は・・・

「貴女へ」

Fin
★コメント
というわけで、終わってしまいました。
急転直下の最終回ですが・・・ちょっとよくわかりにくかったです。
まず、夏目と愛生子が兄妹…、というのはいいとして、同じ年の同じ日に生まれたというのはおかしいですね。
だって、もともと夏目の年齢設定は19才、つまり高校2年生(17才)の愛生子より年上のはずでしたから、辻褄が合いません (いくら何でも自分の年を2才も間違えていることはないでしょう 笑)。
また、ストーリー紹介に記した通り、ドラマ上でも橘麗華がダーツを投じたところまででシーンが切れているので勝負の結果がわかりませんし、 最後に現れたサングラスの女も顔がはっきりと映らないので判別がつかないです。が、どうも、愛生子のように見えます。 すると勝負は橘の君が勝って、結局聖彩華の女王の座は愛生子に受け継がれたのでしょうか・・・。いずれにしろ、「貴女へ」の手紙で終わる結末は、このドラマに相応しい印象的な幕切れでした。
第22話
瑠璃彩夢物語 山本理沙メモリーズ







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