雑誌記事再録
●インタビュー
『スコラ』1986年1月9日号掲載

ドキドキFLASH

スーパー・アヴァンギャルド・アイドルなのだ

山本理沙

下駄箱あけたら毎日ラブレターの山だったんだ

「将来の夢は、ニューヨークのセントラル・パークでマイケル・ジャクソンとコンサートすることでーす」
 イエーイ、大きく出ました理沙姫。武道館のステージを踏むことだけを夢見るよーな、 そんじょそこらのアイドルとは違う。アイドルを超えたアイドル!?スーパー・アヴァンギャルド・アイドルなのである。
 まあ、キャピキャピしちゃって「えー、そーなんですかぁ?」なんて尻上がりにしゃべくるわ、グウワハハッと大笑いすれわで、 こちとらすっかり六本木のディスコでギャルをナンパしている気分だぜ。
「国内でコンサートするんだったら、日比谷野音か、中野のサンプラがいいなぁ」
 なっ、つうだろ。サンプラなんてなかなかいえねぇーぜ。ミュージシャンみたいだろ。デビューコンサートだって バックバンドつけてギンギラ、総立ちだったんだもんね、理沙。
「ウフフッ、良かった?」
 大きな瞳でジッと挑発的にみつめられちゃったもんね。攻めにゃ強いが守りに弱いオレとしちゃあ、こういう気の強そーなオンナには メロメロになる危険性ありだね。
 中学時代は、毎日下駄箱に届けられるラブレターの山で窒息死しそうになる日日。おまけに、モテない先輩からはイビられるという悲しい イジメられっ子だったという理沙。
「ハッキリいってモテてましたからねぇ」
 捨てられたラブレターにオレ同情しちゃうなぁ。
 ってなわけで、今じゃすっかり理想が高くなっちゃって、好みのタイプの男は岩城滉一だとよ、バカヤローめ。
「駐車場から車を出すときなんか、くわえたばこでけむそーな顔してハンドルきるでしょ。そのときの表情がいい。ゾクッてしちゃう」
 ってこたァ、アレか。車の免許持ってないようなのは男じゃないってのかよ。
「うーん。やっぱりデートは車で誘ってほしいもん」
 だってさ。「海が見たい……」かなんかいっちゃうんじゃないのか、コノォ。
「でも、芸能人になってからはラブレターひとつもらったこともないんです」
 縁があった男といえば、電車の痴漢だけ。カバンのカドがあたってるなァと思ったら実は手だったという。
「いやあ、それが後ろならともかく前だったの。ワハハ」
 こんなアッケラカンとした理沙だけど、将来の夢はある。
「22歳過ぎたら、五社英雄監督の映画に出たい」。なめたらイカンぜよ!!
「そっ、ああいう世界が好きなんです。”女の壮絶な戦い”っていうんですか?そういうのいいと思いません?」
 まだ17歳だろ。そんなこといっちゃアイドルできねぇよ。それに、五社監督っていったらすぐ脱がしちゃうんだぞ。
「台本読んで、うん、これはハダカになる必然性があるって納得したら脱いでもいいって思うかもしれないなぁ」
 それじゃ、予行演習で『スコラ』でイッパツ脱ぐってのはどう?
「ダメーッ。納得できません!!」

雑誌記事再録 山本理沙メモリーズ

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