「セーラー服反逆同盟」は制作された順番通りに放送されていません。特に第14話「フォーカスの罠!」と第16話「翼の折れた天使」の撮影時期は放送の順番よりずっと早いです。少なくとも第11話より前だったと考えらます。従って制作上は 第1クール…第1-10、14、16話 第2クール…第11-13、15、17−最終回 になります。以下、その根拠を説明します。 1.助監督に"降格"? 藤田保行監督は第1話から第10話まで江崎実生・帯盛迪彦両監督の下で助監督を務めた後、監督に昇格。第11-13話の3本を監督しています(後任の助監督は岩清水昌弘)。 ところが第14、16話ではまた帯盛監督の下で助監督に逆戻りしています。 一度監督に昇格した後でまた助監督を務めるケースが全くないわけではありませんが、極めて不自然に映ります。 しかも、そのまま助監督を続けるならまだしも、この2本だけです。 これは第14、16話が藤田監督の助監督時代(第11話以前)に制作され、放送時には順番が入れ替わったと考えるのが自然でしょう。 2.記録係まで出戻り? 制作も放送順通りだったとした場合、スタッフの編成がおかしいのは助監督だけではありません。 第1話から第10話までの「記録」は安倍伸子が務め、第11話からは熊野ひろ子に交代しています。 ところが第14、16話では安倍氏が戻り、15話と17話以降はまた熊野氏が務めています。 つまりシリーズ後半のうち、この2話のみが何故か第10話までと同じ面子のスタッフで制作されると言う不思議な編成になっているわけです。 このことから考えても、第14、16話が制作されたのは放送時の順番より前だったと判断できます。 3.ユミの髪は伸縮自在? ユミ(仙道敦子)のヘアスタイルを比較すると、第11話から髪の毛が急に伸び、分け目も変わっているのが目立ちます。
ところが、第11-13話では長かった髪が第14話で急に短くなり、第10話と同じ髪型に逆戻りしています。
しかし、これも撮影と放送の順番が異なっていると考えれば何でもありません。つまり第14、16話は第11話より以前に制作されたのです。 4."昔の衣装で出ています"? レギュラーの教師役は劇中で何度か衣装替えしています。 中でも、馬場校長(藤岡重慶)の衣装は第10話まで黒っぽいダークグレイの和服姿。それ以降はライトグレーの和服姿で統一されていました。
このことから見ても、第16話は第11話より以前に撮影されたと考えるのが妥当です。 一方、第10話までの九条(竹中直人)の衣装は、一貫してカーキ色のスーツでした。 それ以降は第14、15、21話、最終回の4回しか出演がありませんが、あとの3回はその度に衣装を替えています。 ところが第14話だけは10話までと同じカーキ色のスーツです。
と言うわけで、第14、16話が制作されたのは放送順より前だったと思われる根拠を4つ挙げました。 このうちどれか1つだけだったら少し根拠が弱いし、単なる「偶然」で片付けられるかもしれません。 しかし4つ重なれば別です。 なぜなら、仮に第14、16話の制作順序も放送通りに14、16番目であるとするならば、上記1-4の矛盾全てに説明がつきません。 すなわち、第14、16話"だけ"藤田監督が助監督に降格し、第14、16話"だけ"前記録係が戻り、第14、16話"だけ"仙道さんの髪の毛が短く縮み、第14、16話"だけ"藤岡さんと中島さん、竹中さんが前の衣装を着用し、しかも第14、16話"だけ"これら不自然な現象が重なった理由です。 しかし放送と制作の順番が異なり、第14、16話の撮影はシリーズ前半(第1クール)に行われていると解釈すればこれらの謎は一発で合理的に解けます。 よって制作上の第1クールは「1-10、14、16話」、第2クールは「11-13、15、17-最終回」と判断する次第です。 |