●瑠璃彩夢物語 第22話 |
★ストーリー |
前回の続き。早乙女愛生子の部屋で話をしている愛生子と夏目圭一。 愛生子「私、男の子が恋をするってどんなことか知りたいの」 夏目「君を好きな男は何人もいるだろう。そいつらに聞けばいいじゃないか」 愛生子「そういんじゃなくて、愛生子の知りたいのは本当の恋」 夏目「君は本当の恋とそうじゃない恋の区別をどこでつけるってわけ?」 愛生子「例えば・・・うちのパパはいつも恋をしているの。おかげでうちの中はメチャクチャ・・・そういうのは本当の恋じゃないでしょ?」 夏目「それで君は1人暮らしを始めたってわけか」 愛生子「そんなことより、彼女の話をして」 夏目「・・・俺はこの通りバイトしながらボクシングしてるような男だから、女なんかどっちでもいいと思ってたよ。 恋をしてるんだなと気づいたときはもう遅くて・・・彼女は俺に一言の弁解の余地も与えないままいなくなっちまった。 おかげで・・・」 愛生子「おかげで?」 夏目「・・・俺のハートはぶっこわれちまったってわけさ。もう当分誰も好きになることなんかねえだろう・・・」 そこへ、愛生子の男友だちが訪ねてくる。 愛生子、玄関で応対して 「・・・悪いけど、またにしてくれる・・・」 すると男は、夏目の靴を見つけて 「先客いるなら最初から言ってくれよな!」 と、怒って帰る。 部屋に戻った愛生子、 「参ったな。みっともないとこ見せちゃった・・・」 夏目「俺帰るわ」 愛生子「いいじゃない、もっと話して」 夏目「君ももう少しいい男と付き合えよな」 と、帰る。 ・・・独りになった愛生子は心の中でつぶやく。 (いい男なんているわけないじゃない。本当の恋なんて・・・どこにもないのよ・・・) 翌日、夏目のジムに愛生子が来る。 「はい、これ」とプレゼントを渡し、 「あなたも昨日誕生日だったんでしょ。プレゼントぐらいあげようと思って」 夏目「そんなのいいよ」 愛生子「いい男なら女の子からのプレゼント断るようなことはしないと思うけど?!いいから開けてみて」 夏目が包みを開くと、中身はブレスレットだった。 愛生子「ね、似合いそうでしょ?」 夏目、困惑気味に笑う。 バイト先の夏目。そこへ現れた佐伯ゆかりに、愛生子からのプレゼントを見つかってしまう。 「ひどい・・・どうして早乙女さんには誕生日を教えて、あたしには教えてくれないの?」 と怒るゆかり。 ゆかりは宝飾店に行き、愛生子が夏目に与えた1万円の品物より更に高い2万円のブレスレットを買って、夏目にプレゼントする。 「すてきでしょ。ボリューム感が違うわよね。夏目君にピッタリだと思ったんだ」 とにんまり笑うゆかり。困惑する夏目。 ゆかりは丸井総一郎に相談する。 ゆかり「しつれいしちゃうじゃない?夏目君も夏目君だけど、彼女も彼女よ」 丸井は「夏目の病気がまた出た」と言う。 ゆかり「前の病気って?」 丸井「ほら昔もあったでしょう、ゆかりちゃんと麻美ちゃんの両方を手出したって言うのが」 ゆかり「じゃあ夏目君が早乙女さんにも手を出すって言うの?そんなのヤダ!ねえ丸井君、何とかして!」 その夜、ジム帰りの夏目を愛生子が待っている。 夏目「今度は何の用?」 愛生子「この前あなたの言ったいい男ってどんな男か教えてもらおうと思って・・・」 夏目「・・・俺は好きな女ひとりものにできなかったんだよ。それも橘麗華に奪い取られたんだよ。 君だって彼女のこと好きなんだろ?お笑いだよな。こんな男にいい男聞いたって何だかわかるわけねえじゃねえか・・・ それじゃあな・・・」 と立ち去る夏目。 愛生子「・・・」 一方、カフェバーで橘麗華が1人で飲んでいるところへ丸井がやってくる。 麗華「・・・そう、あの子も例によって夏目さんとやらに夢中ってわけ。でもあの子はまだ子供だから、どうってことないんじゃない?」 丸井「そう、どうってことないんですけどねー」 麗華「それで、私に何の用なの?」 丸井「彼女が夏目じゃなくてあなたとできた方がいいかなーと思ってんですけどねー」 麗華「何ですって!?」 丸井「いや、別に深い意味があって言ったわけじゃないんですけどねー」 麗華「できるとかできないとか、あなた方男たちの基準で話して欲しくないわね」 丸井「いやーそーゆー意味じゃ・・・」 麗華「不愉快ね。帰るわ」 帰宅した麗華はテーブルの上に置いてあった封筒の中から書類(探偵事務所の調査報告書?)を取り出して読む。 やがて目を上げ、思わずつぶやく。 「・・・兄弟?あの2人が?!」 |